防爆技術への取り組み
IDECの防爆技術の研究開発は70年にも及び、
ファクトリーオートメーション化や国際化などの
社会の変化に即しながらお客様の防爆化ニーズに応えています。
防爆照明器具ニーズへの対応
IDECの防爆製品と防爆技術は、1953年に防爆形白熱灯照明器具E形を防爆機器として開発・製造・販売したことから始まります。
1955年には防爆形蛍光灯照明器具ERS形を製造し、工場電気設備防爆指針の制定(1955年10月)といった時代の状況に即応しながら研究開発を重ね、1959年には安全増防爆構造蛍光灯照明器具SF形と耐圧防爆構造蛍光灯照明器具EF形、安全増防爆構造白熱灯照明器具EL形と耐圧防爆構造白熱灯照明器具EL形の販売を開始しました。
ファクトリーオートメーション化による防爆化ニーズへの対応
1955年当時、日本経済の高度成長に伴い、各種産業分野で生産手段のオートメーション化が求められるようになり、危険場所における動力源としての電動機および主開閉器に対して制御機器の占める割合が増加していきました。
IDECは各種安全規準や諸外国の状況を考慮して、日本国内でも防爆形制御機器の必要性が高まると判断し、業界に先駆けて防爆形コントロールボックスの研究開発。セーフティボックス鉄箱入り刃形開閉器(金属開閉器SB形)を防爆形制御機器の一環として防爆化しESB形を開発し、ファクトリーオートメーション市場に販売しました。 さらに1956年には制御盤などに組み込むことを目的とした防爆形コントロールボックスEGF形とそのボックス用防爆形コントロールユニットEGF形、1957年には壁掛形コントロールユニットを開発・製造・販売。
コントロールボックスに取り付け可能な制御装置として、押ボタン開閉器、表示灯、カムスイッチ、ブザー、タンブラスイッチ、電流計、コンセントなどをラインナップとして揃えました。 そして、コントロールボックスとコントロールユニットの応用機種として、防爆形コントロールスタンドを製造・販売しました。
防爆エリアでの操作ニーズへの対応
1962年、IDECは遠隔操作を考慮に入れた防爆形コンビネーションスタータECG形を開発・製造・販売しました。
防爆形コンビネーションスタータECG形は、耐圧防爆構造容器に配線用遮断器と電磁開閉器を収納し操作ハンドルとコントロールユニットを装備した装置で、危険場所でも電動機の手元操作と遠隔操作を可能にしました。 その後も、IDECでは防爆形コントロールユニットの研究を進め、1967年にユーザーニーズを考慮した一連の耐圧防爆形ユニットシリーズ、1969年には内容量2cc以下の全閉構造でユニット自体が耐圧防爆構造になっているコンタクトブロックF形を開発・製造・販売しました。
1973年、IDECは業界に先駆けて防爆等級3(水素ガス対応)の耐圧防爆構造コンタクトブロックF形付コントロールユニットの販売を開始しました。また耐圧防爆構造の制御機器以外にも、耐圧、内圧、本質安全防爆構造、空気制御システムなどの各種防爆構造について、数多くの防爆機器の開発・製造・販売を通して市場ニーズに応えてきました。
1980年代に入ってからも防爆技術の研究と製品開発を進め、危険場所でも非危険場所と同様に制御ニーズに応えてきました。同年に販売を開始した耐圧防爆構造コントロールボックスEWG形は、表示灯、押ボタンスイッチ、セレクタスイッチやメータを1点または2点用にモジュール化したモジュールデザインを採用したため、防爆製品として豊富な選択肢を短納期で実現しました。
低コスト防爆製品ニーズへの対応
1984年に販売を開始した本質安全防爆構造多重伝送システムMTS-IB-20形は、爆発の危険性がある雰囲気の中に設置された信号(有接点)を非危険場所へ伝送する危険場所用の送信ユニットと、送信ユニットに電源供給するとともに送信ユニットからの信号を分離・増幅してアンプユニットへ交流信号として伝送する非危険場所用の安全保全器(バリア)を組み合わせて構成する、防爆システムです。2本の伝送線を介して最大5km送信側へ電源が供給されるため、極めて容易かつ低コストでシステムを構成できる防爆製品でした。
1990年代に入ってから、IDECでは生産現場での自動化に対する強いニーズに応えるため、従来の防爆製品に加えて新しい防爆製品を数多くラインナップに加えました。 1990年代に入ってから、IDECでは生産現場での自動化に対する強いニーズに応えるため、従来の防爆製品に加えて、新しい防爆製品を数多くラインナップに加えました。
1990年には本質安全防爆構造ロータリーエンコーダIBE6000D形と本質安全防爆構造光電検知システムISF-IB形、 1991年には本質安全防爆構造防爆電子天秤ES4A形と耐圧防爆構造光電スイッチES1A形と耐圧防爆構造表示器ボックスEX1R-D20形、 1993年には本質安全防爆構造ツェナーバリアEB3A形、 1995年には耐圧防爆構造タッチパネル表示器ボックスEX4R-D30、 1996年は耐圧防爆構造バーコードリーダーVP8E形を開発・製造・販売しました。
国際規格(IEC)に整合した防爆ニーズへの対応
1990年代後半に入ってから、日本国内において国際安全規格(IEC)に適合した防爆構造規格の見直しの機運が起こり、JIS規格の整備と整理が行われました。
1997年、IDECとして初めて国際規格(IEC)に整合した耐圧防爆構造コントロールボックスEC1A形を開発・製造・販売。 2000年代に入ってからもIDECは防爆技術の研究と製品開発を進め、各種防爆製品を販売しています。
環境対応や機械安全へのニーズ対応
2009年には業界に先駆けて爆発性雰囲気での防爆安全と機械安全を実現した本質安全防爆構造グリップスイッチHE2G-X形、爆発危険場所での防爆安全と機械安全を実現した本質安全構造のセーフティリレーバリアEB3N形、 2011年には防爆技術とLED技術の両方を併せ持つ耐圧防爆構造LED照明器具EF1A形、 2012年には可燃性ガス・液体が存在する爆発危険場所ゾーン2で使用可能な非点火防爆構造LED照明器具NVMV形に加えて業界初・水素ガスを扱う危険場所でも画面表示と操作が可能なタッチスイッチ付表示器EX4R形、 2013年には欧州や東南アジア向け石油・化学プラントにATEX指令(欧州防爆指令)に適合した耐圧・安全増防爆構造コントロールボックスEC2C形を開発・製造・販売しました。