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グローバルで抜本的な改革を推進することで高収益体質への変革を目指すとともに、社会課題の解決に貢献する製品・ソリューションを提供していきます。


2023年度は減収減益となりましたが、ピンチを次の飛躍に向けた改革を推進するチャンスと捉え変革していけるよう、IDECグループ一体となって取り組みを行っています。その中でも、グローバル思考への移行は、今後のIDECグループの事業拡大と発展にとって極めて重要と考えており、「新生IDEC」へと生まれ変わり、真のグローバル企業となるための組織運営と意識改革を加速しています。
さまざまな取り組みをグローバルベースで推進することで、長期的には営業利益率20%となる体制を確立していきます。


厳しい事業環境により2023年度は減収減益となったが、飛躍に向けた改革を推進



2022年度は、グローバルで製造業の設備投資需要が好調に推移し、売上高、利益ともに過去最高を記録しました。しかしこの好業績の背景には、コロナ後の需給の混乱や、過去2年間の異常とも思えるビジネス環境による影響があり、実際の売上拡大ほど市場は成長していませんでした。

そのため、代理店やエンドユーザー、そしてIDECにおいてもグローバルベースで在庫が増加し、実需とは大きく乖離してしまう結果となり、2023年度は大幅な減収減益となりました。このような結果となった背景には、外部要因だけでなく、IDEC自身の体質や体制が、時代の変化についていけなかったことも要因の一つだと考えています。長年の歴史の中で培われた良い文化がある一方、その文化がマイナスの効果を生む結果になってしまうこともあります。

今回のように、市場や外部環境が激変している中では、その変化を捉えて今までやっていたことを、一度立ち止まり本質を見極めた上で「止める」、または「変えてみる」という発想と行動が必要になります。それが、「変革マインド」だと私は考えています。

2024年度はまだ厳しい状況が続く可能性が高く、本格的に業績が回復、拡大するのは2025年度以降になると考えています。しかし、ピンチの時ほど次の飛躍に向けた改革を推進するチャンスでもあります。「変革マインド」を全社員が共有し、グローバルで抜本的な改革を推進することで、高収益体質へと変革していけるよう、IDECグループ一体となって取り組みを行っています。

「新生IDEC」へと生まれ変わるための組織運営と意識改革を加速

依然として不透明感が強い状況ですが、外部環境に左右されない、高い収益性を確保できる企業体質にするため、業務改革を積極的に推進していきます。
グローバル思考への移行は、今後のIDECグループの事業拡大と発展にとって極めて重要です。海外売上高比率は、主力製品では70%になっており今後その比率はさらに拡大すると予想しています。今まで以上にグローバル市場に目を向けて事業戦略を展開し、先進的な業務改革を積極的に推進することが不可欠になっているということです。


真の意味でのグローバル企業となるためには、それぞれのグループ会社や、地域ごとの個別最適化ではなく、視野を最大限に広げた「グローバル視点・連結ベースでの全体最適化」がないと実現できません。各グループ会社間での情報共有、組織交流を積極的に行い、業務の標準化や、重複する業務の徹底的な排除による業務効率向上を図っていくために、IDEC本社やAPEM、米国などで、拠点の枠を超えた幹部人材の交流や組織再編を行っています。グローバルで成長をしなければ生き残っていくことはできませんので、連結ベースでの全体最適に徹していきます。

生産・調達・サプライチェーン改革によるグローバルでの競争力強化

高収益体質となるための取り組みの一環として、効率性を重視したグロー バル生産、供給体制の最適化を行っており、生産拠点に加え、グローバル調 達、サプライチェーンなどの改革を推進しています。
生産体制については、自社生産だけでなく、EMS(Electronics Manufacturing Service)や外注の役割を明確化することで、大幅な コスト削減と、より高い品質の確保を推進し、原価率の低減を実現していきます。 同時に、効率性を重視したグローバル生産体制の見直しも実施していきます。
サプライチェーン機能についても、APEMを含めたグローバルで、購買、サ プライチェーン、生産における双方向での供給や、グローバル購買機能を強 化することで、グローバルベースでのコスト低減と最適なサプライチェーンの 構築を行っていきます。


DXによる業務効率化

DXを活用したマーケティング力を強化するために、市場の分析、市場規模の 把握、ターゲット顧客やアプリケーションなどのデータ収集・活用を行っています。
また、統合基幹業務システムであるERP(Enterprise Resource Planning) 基盤の構築と、SCP(Supply Chain Planning)を実現できるシステムの導入 プロジェクトを推進しており、日本から順次グローバルに展開していく予定です。 これら新システム導入により、一連のビジネスプロセスを一貫して管理し、各シス テムとも相互連携することで、より効率的なオペレーションを実現します。

ソリューション販売のさらなる拡大による付加価値の向上

多角化する顧客ニーズや社会課題に対応するため、多様な製品を組み合わせた最適なソリューションの提案をさらに強化することで、付加価値の向上を目指しています。
ソリューション販売の核となる製品を強化するために、新しいHMI(Human-Machine Interface)、安全 関連機器を新発売するとともに、ez-Wheel (フランス)を買収しました。 ez-Wheelの買収により、AGV(無人搬送車)・AMR(自律走行搬送ロボット) などの導入が加速している、生産・物流現場における搬送ソリューションの強化を図っています。IDECのHMIや安全関連機器を搭載してソリューションとして販売することになりますので、大きなシナジー効果が見込めます。
自動車メーカーや建機メーカー、AGV・AMRメーカーなどからの引き合いは数百件あり、今後徐々に売上高は拡大していく見込みです。また、現在は欧州と日本だけの販売ですが、将来的には米国など他の地域にも拡大していく予定です。このような課題解決型のソリューション販売を強化することで、グローバルでの競争力の向上を図っていきます。


 

持続的成長の実現に向けたサステナビリティ活動の推進

>2023年に、長期ビジョンである「2050年のありたい姿」を策定しました。長期ビジョン実現のためには、事業活動を通じて経済価値を創出するだけでなく、サステナビリティ対応により社会価値を向上することが不可欠です。

2050年のありたい姿:Pioneer the new norm for a safer and sustainable world.

ものづくりの未来と新たな可能性を創造し、明日の「当たり前」となる、新しいスタンダードの開拓者になることで、全ての人々に幸福と安心をもたらす、より安全で持続可能な社会の実現を目指します。


気候変動への対応

2050年のカーボンニュートラルを実現するため、2024年4月に環境問題に対する企業理念と行動指針をまとめた「環境基本方針」を刷新しました。

また、カーボンニュートラルに向けては、CO2排出量の削減目標を掲げています。

人的資本への投資

人材マネジメントをさらに強化していくために、人事制度の改定や多面評価の実施に加え、教育制度やグローバルタレントマネジメントの充実を図っています。
人事データをグローバルで管理することで、人材の見える化や組織力の最大化を推進し、人材の発掘、最適配置に取り組んでいけるよう、タレントマネジメントシステムを2025年度に導入する予定です。

また今後を見据えて、IDECグループでは以下を備えた人材を求めていきます。

■ グローバル視点での思考を持っている人
■ 情熱をもって困難なことにもチャレンジし、業務改革をやり切れる人
■ 生産性を常に意識し、継続して生産効率の向上のための努力を惜しまない人

常に自分の生産性をどうやって上げていくのかを考え、失敗を恐れずにチャレンジしていける社員を育成することで、持続的な成長を実現できる企業にしていきたいと考えています。


ガバナンスの強化

役員報酬制度を2022年度に改定し、2023年度より新報酬制度を適用しています。業績連動報酬のKPIには、営業利益率、ROIC(投下資本利益率)といった財務指標だけでなく、CO2排出量の削減率や外部ESG評価といった非財務指標を反映しています。
また指名委員会では、取締役候補者の指名や次世代経営幹部候補者の育成計画、サクセッションプランについて検討・審議しており、次世代経営層の育成計画をスタートしています。

 

最後に

冒頭で申し上げたように、2024年度の業績は引き続き厳しい事業環境となる可能性が高い状況ですが、さまざまな改革や取り組みをグローバルベースで推進することでコストを低減し、長期的には原価率50%、販売管理費率30%、営業利益率20%となる体制を確立していきます。
今後もステークホルダーの皆さまの期待に応えていけるよう、持続的な成長と企業価値の向上を目指していきます。