社会課題を解決するIDECの製品
産業現場における事故や災害の防止および低減に寄与するだけでなく、制御技術を活用した生産性向上や、労働人口の減少に伴い求められる省人化・省力化といった社会課題を技術によって解決し、より持続可能な社会の実現に寄与するIDECの製品を紹介します。
■アシストホイールドライブ
労働力不足や高齢化が課題となっている中、重労働が働き手の労働環境に与える影響は決して小さなものではありません。
製造現場では加工や組立といった工程で自動化が進む一方、各工程間で重量物を移動させる時には、台車を用いて、人の力による手押し搬送が行われています。
アシストホイールドライブはオールインワン構造により、運ぶモノや用途に合わせて現在使われている様々な台車を、そのまま電動アシスト化することが可能です。
搬送にかかる負荷を軽減することで、作業者の体力を問わず、誰にでも重量物の搬送作業が行えるようになるだけでなく、作業者が危険を感じて急停止させたい時や、誤って手を放してしまった時には、電磁ブレーキのアシストによって台車を安全に停止させることができます。
搬送における安全性の向上に加え、省力化による労働環境の改善によって、働き手のウェルビーイングと生産性の向上に貢献します。
作業者の安全とウェルビーイングを実現する、IDECの非常停止用押ボタンスイッチと無線技術
■非常停止アシストシステム
確実に機器を停止させる非常停止用押ボタンスイッチ(以下スイッチ)は、IDEC独自の安全技術の搭載により、高いシェアを実現してきました。
しかし、無人搬送車や自律走行型搬送ロボットを用いた搬送工程の自動化が急速に進む中で、スイッチの設置されている位置が低かったり、機器そのものが移動していたりすると、緊急停止させるために作業者がスイッチを押そうとすること自体がリスクになるおそれがあります。
IDECの非常停止アシストシステムは、作業現場において離れた場所からスイッチを操作し、安全な場所から機器を停止させることが出来ます。
人と機械の協調安全を実現するSafety2.0に適合したこのシステムによって作業者の安全性が確保されるとともに、離れていても素早く機器を停止できるため、作業効率も向上します。
このシステムは、作業者の安全と生産性向上の両面から製造現場における重要な役割を果たし、社会課題解決に寄与してまいります。
人と機械の『不』に挑む、斬新なレーダセンサ
■Bluetooth搭載パルス方式 1A1M形 マルチユース ミリ波レーダセンサ アルプスアルパイン株式会社とIDEC、両社の強みを活かして開発された、耐環境性能に優れたセンサ。レーダを利用しているため、降雨・降雪のある屋外や、粉じんが舞う生産現場でも物体検知・距離検知が可能です。また、拡散する電波を絞り込み、レーダの弱点である“虚像やマルチパスによる誤検出”を極力抑えたことで、使い勝手が大幅に向上しております。 建築現場などで高所作業車の天井との距離を検知して作業員の挟まれを防止する「安全」。モルタル吹付機と壁、タンク内の水位など距離の検知によって作業性を向上させる「効率性」。駐車場では地下のループコイルを代替し、埋設工事が不要となる「環境負荷の低減」。 さらにBluetooth通信でPCやスマホでレーダを身近に使えるようにしたこの製品は、業界を越えて不便、不安といった世の中のさまざまな「不」を解決し、顧客と共に新たな価値を創造していく可能性を秘めています。 IDECは新しいHMI価値の提供を通じて、これからも安全・安心な社会に貢献してまいります。
急な仕様変更にも対応、工具なしで極数を簡単に変更可能な端子台
■BTBH-Hシリーズ 固定式端子台 BTBH easy-stack™ ものづくりの現場の安全を守ると同時に、省資源・軽量化・部品点数削減・省工数・製品解体の容易性をクリアした環境配慮型製品である「BTBH-Hシリーズ 固定式端子台 BTBH easy-stack™」は、特別な工具を使うことなく、必要な極数をお客様の手元で簡単に組立てることができるため、急な仕様変更やメンテナンス時など、急な場面にもフレキシブルに対応可能です。タッチダウン構造形のねじ構造により、ねじ頭部を軽くタッチするだけで端子のねじの仮止めが完了し、配線時の工数が削減できます。また、ねじレス連結構造をはじめとした部品点数の削減(ターミナルカバー・マークシート・連結シャフトねじ・ナット)、省資源化・軽量化によって、資源の有効活用を実現し、地球環境保護に貢献しています。そして、IP20保護構造のフィンガープロテクト構造により、ターミナルカバーなしで端子部に直接触れることなく感電を防止するため、作業者の安全も守ります。 IDECの製品開発や各種取り組みを推進し、全ての人々の安全・安心・ウェルビーイング向上を目指して、誰もが健康で、幸せに、生き生き暮らすことが出来る社会を実現していきます。
不特定多数の人が操作する環境での感染リスク軽減
■φ22 タッチレススイッチ「CW1H/CW4H 形」 新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、感染予防対策として非接触ニーズが高まっています。特に不特定多数の人が操作する押しボタンスイッチなど、感染リスクが増すことから、タッチレススイッチは感染抑制の一つとして期待されています。また、衛生面の観点から指での操作ができない、クリーンルームの扉開閉ボタンや食品機械の操作部などにおいても、タッチレス需要が増加しています。 タッチレススイッチ「CW1H/CW4H 形」は、このようなソーシャルニーズに応え、感染リスク軽減や衛生対策に有効です。近赤外線反射方式を採用し、人の手で最大270mmまで検出でき、検出範囲を製品正面に限定することで、誤動作を防ぎます。そして、防塵/防水保護構造IP65/67を有する高い保護構造と、NEMA 規格Type 4XのUL認証も取得し、屋内だけでなく屋外での使用も可能です。また、2色のLED照光を外部から制御することで 出力・待機などの状態をフィードバックし使用する人にわかりやすく伝えます。 IDECの製品開発や、各種取り組みを推進して、全ての人々の安全・安心・ウェルビーイング向上を目指して、誰もが健康で、幸せに、生き生き暮らすことが出来る社会を実現していきます。
「作業者の安全」を守る
■鍵付安全スイッチ「HS5L-K形」 ものづくりの現場において、生産ラインの自動化や労働力不足などから、より安全・安心な職場環境づくりが求められています。また、労働災害の減少に貢献する安全スイッチの需要がグローバルで拡大しています。 安全スイッチは、工作機械の正面扉や、産業用ロボット周囲の安全柵の扉部分などに取り付けることで扉の開閉検出を行い、生産現場で働く作業者の安全を確保する製品ですが、IDECの鍵付安全スイッチは、危険区域内に鍵を持ち込んでいる間は安全スイッチがロックせず、装置も停止しているため、危険区域内の閉じ込め防止や、意図しない装置の起動を防止し、作業者の安全を確保することができます。 通常、装置やロボットは防護扉(ガード)により危険源が隔離されています。作業者は鍵でドアロックを解除、装置を起動不可の状態とした後、その鍵を抜いて危険区域に持ち込み作業します。作業者が扉の外に出て鍵でロック状態にしない限り装置も停止状態なので、鍵を持っている作業者は危険区域内でも安全に作業できます。 IDECの製品開発や、各種取り組みを推進して、全ての人々の安全・安心・ウェルビーイング向上を目指して、誰もが健康で、幸せに、生き生き暮らすことが出来る社会を実現していきます。
防爆エリアでの予知保全に貢献
■本質安全防爆構造の無線振動センサ「ES3M形」 可燃性のガスなど危険物を扱う石油プラントや化学工場では、近年設備の老朽化に加え、人手不足や熟練技術者の減少により、保守・メンテナンスが十分に実施できないことで、火災事故などが発生するリスクが上昇しています。 こういった事故を無くすためには、設備や機器の状態異常を早期に発見する必要がありますが、作業者の経験に頼っているケースが多く、また危険場所での巡回点検や、広大な敷地に点在する設備を確認するため、時間や工数がかかることが大きな課題となっていました。 本質安全防爆構造の無線振動センサ「ES3M形」は、石油プラントや化学工場などにおける危険場所(ゾーン2※)で使用することができ、設置した防爆モータやポンプ等の速度データや加速度データ、設置面温度などを無線で簡単に収集することができ、故障の予兆を見つけて未然に防ぐ「予知保全」が可能となります。 また小形かつ電池駆動の製品で、各種装置にマグネットで簡単に取り付け可能なため、電源やネットワーク工事なしですぐに使用することができます。低消費電力設計により専用電池で約5年間交換不要です(送信間隔6時間設定)。設置の自由度の高さ、導入のしやすさから、幅広い箇所で複数個設置することもでき、保守・メンテナンスに関わる時間や工数を大幅に削減して作業を効率化するとともに、防爆エリアでの予知保全を実現します。 ※ゾーン2 通常の状態において、爆発性雰囲気を形成する可能性が少なく、生成した場合でも短時間しか持続しない場所
「感染症に強い工場」の実現
■スマートRFIDリーダ「KW2D型」 新型コロナウイルス対策として、IDECの国内すべての生産・物流拠点に、IDEC製品を活用した非接触の自動検温システムが導入されています。 社員証などのICカードを読み取って履歴管理を実現できるスマートRFIDリーダ「KW2D形」、MQTTプロトコルに対応したプログラマブルコントローラ「FC6A形Plus」、プログラマブル表示機「HG1G形」などのIDEC製品に、市販のサーモカメラを組み合わせたシステムを構築しています。 スマートRFIDリーダで社員証を読み取り、プログラマブル表示器で登録を行うことで個人を認証し、サーモカメラでマスクの有無や体温を計測します。37.5度以上の体温がある場合は、赤色のアラートが表示され、その情報をプログラマブルコントローラでクラウドサーバーに送ることで、出社した社員の検温情報を、遠隔で確認・管理することが出来ます。 IDECの製品開発や、各種取り組みを推進して、全ての人々の安全・安心・ウェルビーイング向上を目指して、誰もが健康で、幸せに、活き活き暮らすことが出来る社会を実現していきます。
■ウェアラブル端末 アセンブルセンターでは、IDECのウェアラブル端末を活用したピッキング作業や、RFIDカード・タブレットを活用した組み立てなどを導入することで、手を介した感染の防止に加え、効率化や生産性向上を図ることで、下記5点の社会課題の解決を実現しています。 ・各工程で使用される作業指示書を、RFIDカードを中心としたシステムへ再編しペーパーレス化 ・タブレット図示による内容指示で、熟練者に頼らない作業均一化&多言語化対応 ・作業時間や検査記録の自動収集 ・作業進捗の大型画面表示による可視化 ・ ウェアラブル端末での複数オーダーの平行作業により、作業時間の大幅短縮化とミスの低減 新型コロナウイルスの世界的感染拡大により、人々の意識やライフスタイル、社会ニーズなどは大きく変化しましたが、変化は次の成長につながる大きなチャンスでもあります。 多様化する社会課題の解決に、IDECグループがこれまで培ってきた制御技術、安全技術を核とするさまざまな製品やソリューションで貢献することで、真のグローバル企業として持続的な成長を目指していきます。