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人材マネジメント

推進体制

経営戦略と人事戦略を立案していくため、代表取締役直轄の組織として、2022年度に経営戦略企画本部を新たに設置しました。関係各部と調整しながら、長期ビジョンや中期経営計画、サステナビリティKPIなどの策定、経営・人事戦略の立案、経営資源マネジメントなどを牽引しています。重要事項は経営会議に上程しており、方針決定後に取締役会へ報告する体制としています。
また、全社安全衛生委員会の専門部会として、ディーセントワーク推進部会を2022年に設置し、働きがいのある職場環境づくりや、社員のウェルビーイング実現に向けた社員満足度向上を目指した取り組みを行っています。

人材戦略

IDECでは4つのマテリアリティの一つとして、「企業基盤:価値創造を促進する経営構造の整備、人権の尊重、組織風土の醸成および人材の育成」を掲げています。持続的な成長と企業価値向上を実現するためには、企業の活性化や人的資本の強化が必要不可欠となるため、2030年の目指す姿を掲げ、中期経営計画の施策やサステナビリティKPIとも連動させながら、さまざまな取り組みを推進しています。
更なる成長を実現するためには、IDECグループ全体で人的資本への投資をより強化していく必要があることから、グローバル人材基盤としてタレントマネジメントシステムを新たに導入し、優秀な人材の発掘・最適配置に取り組む予定です。その他にも、組織のグローバル化を推進するとともに、グローバルエンゲージメントサーベイなども行っていきます。
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの取り組みも不可欠と考えており、人材の多様性確保に向けて、キャリア採用やグローバル人材採用を積極的に進めています。日本では、男女間の賃金差異の是正に向けて、女性管理職比率向上に向けた取り組みにも注力しています。
中長期の人材戦略としては、重要ポジションの充足とグローバル人材、リーダー人材の育成を掲げており、グループ全社での持続的成長を実現するために、次世代の経営を担う幹部候補者を計画的に選抜、育成しています。

マテリアリティとサステナビリティKPI

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
 

リスク管理

人的資本に関するリスクと機会は、マテリアリティ分析において、ステークホルダーの重要度と事業としての重要度の両軸でマッピングしており、「企業基盤」の人的資本に関わるリスクについては、IDECグループのリスクマップに統合して管理しています。
リスクの重要項目については、リスクマネジメント委員会において評価、管理しており、年に1回、経営戦略企画本部で人的資本に関するリスクと機会を見直すこととしています。


人材マネジメントの強化

人材育成方針、エンゲージメントサーベイを踏まえた人事制度の導入、多面評価の実施、人材育成強化のため、教育制度の充実を図っています。また、キャリア開発会議で社員一人ひとりの育成を考える仕組みを構築しています。

■新人事制度

2019年度に実施した、エンゲージメントサーベイで明確になった人事諸制度の課題(評価、給与・ボーナス、昇進昇格など)を踏まえ、2022年度に新人事制度を導入しました。
新人事制度では、多様なキャリア志向に対応するため、コースを複線化し、個々人の要望・強みを活かせる機会を提供するとともに、「目標管理(評価)」と「報酬」の透明性を高め、求められる役割、行動や仕事の成果に応じた公正な評価、処遇を実現しています。

■多面評価制度

2022年度に、部長職以上の役職者に対して多面評価制度を導入し、2023年度からはマネージャーにも範囲を拡大しました。評価後に対象者全員に対する研修を行っており、日頃の職務行動や職務遂行能力について「気付き」をもたらすことで、自己認識を変化させ、行動変容を促しています。

キャリア開発会議

社員の成長支援と組織への適材適所の実現を図るための新しい取り組みとして、2022年度から「キャリア開発会議」を行っています。キャリア開発会議では、本部単位で部門長が集まり、メンバーの能力開発などの課題を共有・明確化し、役割配置の検討や、今後の昇進昇格を含めた、社員の育成プランの検討を行っています。また、ストレスチェックの集団分析結果のフィードバック、セルフレポート(自己申告書)の傾向や意見も共有し、職場環境の改善にも役立てています。

 

人材育成

■教育制度

IDECグループでは、持続的な成長を支えるために不可欠な、人材への投資を強化しており、研修体系を整備しています。
特に英語教育について、これまで自己啓発支援としてきたところ、リスキルプログラムとして集中投資する方針を固めました。具体的には、コーチング付き英語学習や海外留学メニューを拡充し、新入社員研修にも異文化理解プログラムを強化しています。管理職登用の英語力基準も引き上げ、グローバルに活躍できる幹部育成にも取り組んでいます。
さらに、海外グループ拠点と連携して、海外トレーニーや海外出向、海外転籍などを今まで以上に拡充し、グループ一体となってグローバルなビジネス経験が積める環境整備に取り組んでいます。
2027年度までには、グローバルに幹部候補社員を選抜し、次世代幹部研修を展開することで、グローバル経営を支える後継者育成に取り組んでいきます。



項目研修名研修内容・目的
階層別教育新入社員研修 ビジネスマナーを含む社会人としての基礎知識・能力を習得するとともに、IDECの企業理念や歴史、事業について、理解を深める。
各グレード研修(グレード2~4)、新任リーダー研修昇格に合わせて、各グレードに求められる知識・スキル・マインドを身に着ける。
新任管理職研修(グレード5) 新任管理職を対象に、マネジメント全般の知識・スキルを習得するとともに、管理職としてのマインドセットを図り、意識改革を行う。
新任部門長研修、新任執行役員研修 新任部門長・執行役員を対象に、経営の代行者として高い視座を持ち、意識を高めるマインドセットプログラムや経営的観点で必要な会計知識、コンプライアンス、ガバナンス、非財務情報などの知識の習得を図る。
選抜型教育IDEC Top Management Program 次期取締役候補を対象に研修を実施する。社外での経営者育成研修や社外取締役による専門分野別の講義を通じて、経営者に必要な素養を身に着ける。研修成果は指名委員会にて受講者より適宜報告する。
IDEC Advanced Management Program 次期執行役員候補を対象に研修を実施する。MBA学習(エグゼクティブ)やアセスメント演習を通じて、現状の課題の認識と執行役員として必要な素養を身に着ける。
IDEC General Management Program 次期部門長候補を対象に研修を実施する。MBA学習(ミドルマネジメント)を通じて、部門長として必要な素養を身に着ける。
IDEC Leadership Challenge Program 次期管理職候補を対象に研修を実施する。取締役によるテーマ別講義(全10回)や経営課題の解決策のプレゼンテーション(1年間のグループ検討)、MBA学習(ベーシック)及び英語学習を通じて、管理職に必要な経営知識を身に着ける。
海外研修・語学教育英会話・オンライン英会話ビジネスに必要な語学力の習得を支援するため、社内英会話、オンラインでの英会話の支援を受けられる制度。
海外赴任前研修 海外グループ会社へ赴任する社員を対象に、短期集中で語学をブラッシュアップする制度。
海外トレーニー 若手・中堅社員を中心に、育成を目的として海外グループ会社へ赴任し、1~2年の期間で海外での業務に取り組む制度。
職能別教育 各部門による専門教育(製品・品質)各部門で必要とされる専門分野ごとの知識やスキルについて、OJT、Off-JTを通じて身に着ける。
セーフティアセッサ研修 国際安全規格に基づく機械安全に関する知識・スキルを習得するとともに、機械のリスクアセスメントとリスク低減のためのスキルアップを図る。また各種セーフティアセッサ資格取得を支援。
その他オンライン学習(AI/DX推進) AI/DXに関する知識やスキルについて、ビジネス職・エンジニア職向けにベーシック~プロフェッショナルまでの階層に分けた専門のe-Learningにより身に着ける。
通信教育・e-learning 自己啓発学習として、受講可能講座を公開し、修了することで補助金を会社より支給する。
キャリアプラン研修 自身のキャリアを主体的に考え、自己実現を果たすためのキャリアデザインに関する研修や、女性活躍推進に関する研修、60歳到達を前にセカンドキャリアを考える研修などを実施。


■グローバルタレントマネジメント

グローバル人材基盤として、タレントマネジメントシステムの導入準備を行っています。スキルや経験といった人事データをグローバルで管理することで、人材の見える化や組織力の最大化を推進し、人材の発掘、最適配置に取り組んでいきます。日本では、スキルや経験をベースに、人材の育成計画、e-Learning、組織編成、サーベイ管理などもタレントマネジメントシステムに集約した上で、キャリア開発の推進やエンゲージメントの改善にも取り組みます。



エンゲージメントの向上(従業員意識調査)

社員エンゲージメントの向上に向けて、定期的にエンゲージメントサーベイを実施しており、抽出された課題への取り組みを推進してきました。
日本では、2019年度と2022年度に実施し、代表的な指標である「会社の総合的魅力」、「職場の総合的魅力」のスコアがアップし、その他の多くの項目において改善が見られました。一方で、スコアの低かった①人材育成、②マネジメント力の強化、③人事制度に対する納得性の向上、という3つを主要課題と認識し、改善に向けた取り組みを実施してきました。
2025年度に日本で3回目となるサーベイと、APEMグループとしてのグローバルサーベイを実施し、各種施策の検証を行う予定です。2026年度からは、APEMグループと合同でグローバルサーベイを実施し、その結果を踏まえて、課題の抽出や各種施策の検討を行っていきます。
なお、エンゲージメントサーベイでは、企業理念に関する設問を設けており、今後グローバルサーベイを通じて、IDECの創業当時から大切にしている「人間性尊重経営」をはじめとした、企業理念の更なる浸透、強化を図っていきます。グローバルでの理念の浸透や、社員エンゲージメントの向上により、更なる企業基盤強化を推進していきます。