エレベータ新安全規格EN81-20/50が2014年にヨーロッパで発行

エレベータに対する新安全規格が2014年にヨーロッパで発行されています。今後、ヨーロッパに加えて日本や中国でも規格化の動きが予見されています。

新安全規格によって、エレベータ下のピットと籠上に点検用運転装置等を設置することが要求されており、停止装置がピット、機械室、籠上、点検用運転装置に必要となり、また押ボタンスイッチ等についても品質面での要求が高まっています。

総合エレベータメーカーの設計ご担当者様は、新安全規格へ移行となった場合の対応についてお困りでしたが、エレベータの規格動向を踏まえた押ボタンスイッチとコントロールボックスに関するIDECの提案により、新安全規格に対応したエレベータ設計を実現いただきました。
 

エレベータ新安全規格の法令適用により、安全性の強化が必須

エレベータの安全に関する技術基準は、日本では建築基準法、各国でも関連する法令等で規定されています。

2014年に発行されたエレベータ新安全規格EN81-20/50では、停止装置をエレベータ下のピットや籠上、機械室に設置することが要求されています。さらに使用されるスイッチ製品についても、電気的・機械的耐久性等に対する品質面での要求が高まっています。 エレベータ新安全規格EN81-20/50は欧州リフト指令の整合規格として移行期間中であるものの、今後は法令への適用や日本工業規格（JIS規格）や中国標準規格（GB規格）でも採用が予定されており、規格対応なしではエレベータを販売できなくなる事業リスクが発生します。

そこで総合エレベータメーカーの設計ご担当者様は、点検用運転装置の押ボタンスイッチ製品選定から見直す必要に迫られていました。

 

スイッチ製品単体からコントロールボックスまでトータルに規格準拠

お客様がIDECに協力を要請した理由は２つありました。

一つは、押ボタンスイッチメーカーとしてコンポーネンツレベルでも規格の要求に応えられること。もう一つは、IDECは機械安全に関する豊富なノウハウを持ち、機械安全の観点からコントロールボックスを提案できることでした。
非常停止押ボタンスイッチ、押ボタン、セレクタスイッチ、ボックスなどのそれぞれの製品を開発、生産、品質管理までマネジメントしながら、それらを組み合せて規格に対応できるコントロールボックスの提案は、お客様にとって大きな魅力となったようです。

「機械安全に対する理解があり、スイッチ製品からコントロールボックス全体までトータル的に相談できることで課題をひとつずつクリアにしていくことができたので、弊社のエレベータの強みを活かす方向で設計に取り組むことができたのが良かったです」とのお声をいただきました。

安全規格準拠を基盤に、より柔軟に顧客の要望に応える

スイッチ製品単体だけでなく、コントロールボックス全体を含めた提案を採用いただいたことで、規格準拠による安全性を確保しながら製品の操作性や信頼性の向上を実現できました。

軽い樹脂素材でありながら防塵対応したFBシリーズ、ステンレスやアルミダイカストを使用して厳しい環境にも使用できるAGA形やAGS形など、使用する環境に応じてコントロールボックスを選択できるラインアップに加え、エレベータ新安全規格の要求に応じた設置により、将来の新安全規格への完全移行にも備えた今後のビジネス展開にご安心いただける結果となりました。

引き続きエレベータの安全性の確保と性能向上について、各種エレベータ関連規格・規制等も踏まえた安全機器やLED照明の選定など、IDECの豊富な製品ラインアップや柔軟なカスタマイズ対応能力にご期待いただいています。